企業経営における計数管理 家計と企業経営の違い?!

今回のコラムは、企業経営における計数管理のお話したいと思います。

企業経営における計数管理とは、利益を出すために売上計画やコスト削減策などの取り組みを数字で管理することを言います。

企業経営を賢く続けるために大切な経営者が持っている考え方(マインドセット)をお話します。



・これから起業を考えている方

・経営の基礎知識を身に付けたい方

・今の経営を見直したい方

当てはまるそこの貴方、是非お立ち寄りください!



併せて参考にしてもらいたいコラム



「ビジネスモデルとは?」のコラムでは、 儲けの仕組み(資金の循環システム)の考え方をご説明しましたが、 決算書を読むことで、より詳しく資金循環の状況を把握することが可能となります。

決算書が読めるようになることで、 経営状況を客観的に見ることができたり、 改善策を検討するヒントを見つけることができるようになります。

センスや勘(カン)で業績を上げられる経営者でなくても、 数字に強くなることで賢く経営を続けることが可能になります。



経営お役立ちコラムでは、経営を賢く続けるためのコツについて、 コツコツ経営と題して、記事を投稿しています。

ご興味のある方は「コツコツ経営とは?」のコラムもご覧ください。



今回は、企業経営における計数管理についてお話します。



経営とは?

そもそも、「経営」とはどのような意味なのでしょうか?



広辞苑には以下のように記載されています。

①力を尽くして物事を営むこと。工夫を凝らして建物などを造ること。

②あれこれと世話や準備をすること。忙しく奔走すること。

③継続的・計画的に事業を遂行すること。特に、会社・商業など経済的活動を運営すること。また、そのための組織。



3つ合わせると何となく、「大掛かりなことを誰かのためにみんなで力を合わせて実現する」という時に使う言葉のように捉えられそうですね。



家計においては、お金をためて住宅を購入するという目的があれば、それを実現するために自身の生活をしっかり経営する必要がありますし、

企業においては、資金を調達して、店舗を増やし全国展開をするという目的があれば、それを実現するために会社をしっかり経営することが必要になります。



みなさまは「家計」と「企業」、それぞれの経営における計数管理の違いをどのようにお考えでしょうか?



「家計」と「企業」の計数管理の違い?!

ここでの「家計」は、収入源が会社員やパート社員などのお勤めをイメージしています。

自営業などお勤め以外の収入源がメインの場合は「企業」に当てはめて考えてみてください。



計数管理の方法

家計では「家計簿」、企業や個人事業主は「決算書や事業計画書」などで計数管理を行います。



それぞれの目的

家計においては自身や家族の生活に密接に関係するものですので、過去の出費状況や貯金額を確認したり、今後の生活費や旅行などの出費を把握して、将来の資産状況を計画するために家計簿などをつけることがあります。

企業においても過去の出費状況などを家計と同様に決算書などで確認しますが、企業は経済的な活動を行う組織ですので、如何に利益を出すかというところに主眼を置いて将来の投資や資産状況を計画するために事業計画書などを作成することがあります。



それぞれの計数管理における着眼点

<家計における計数管理>

家計は、自身や家族の生活に密接に関係しているため「出費」や「貯金額」に主眼を置くことが多いです。

主に以下のようなことを検討します。

・給与収入を増やせないか

・どこか生活費を削れないか

・ポイント獲得や割引サービスを利用できないか

・給付金が得られないか など



<企業における計数管理>

一方で企業は、経済的な活動を行う組織ですので如何に利益を出すかというところに主眼を置くことが多いです。

主に以下のようなことを検討します。

・売上を増やせないか

・原価率を下げられないか

・どこか経費を削れないか

・補助金や助成金が得られないか など



企業経営における計数管理

「家計」と「企業」の計数管理で最も大きな違いは何だと思いますか?



出費の削減

まず、生活費や原価・経費などの出費の削減について見てみると、

・不要な出費は削減できる

・最低限の生活や営業活動のためには削減には限度がある

など、自ら自由に決定できるが限界があるという特性があります。



一時金の獲得

次に、給付金や補助金・助成金が得られるかについては、

・要件が当てはまればお金がもらえる

・制度がなければお金はもらえない

など、自ら自由に決定できないという特性があります。



最後に、収入や売上の増加についてですが、 一見、同じように思えますが異なる部分があります。



給与収入の増加

給与収入を増やすためには、

・働きに出る

・転職

など、自ら決定できるが、給与水準がある。

※多くの場合は固定給や時間給により決定される



・昇進

自ら決定できないし給与水準がある。



売上の増加

売上を増やすためには、

・売上単価を上げる

・販売数量を増やす

など、自ら決定でき、上限はありません。



もちろん、売上を増やすということは顧客からの支持や広告宣伝など先行投資があって成り立つものであり容易ではありませんが、伸びしろは無限大です。

一方で給与収入を増やすことは給与水準があり増加には限界があります。 また、出費削減や給付金受給等は効果が限定的であったり一時的です。



企業経営を賢く続けるためのマインドセット

企業経営においても不要なコスト削減など短期的に効果が期待できる施策がないか常に注視しておく必要はありますし、補助金など利用できる制度は活用することも良い金策だと思います。



もちろん、経営者にもさまざまな考え方があり、正解があるわけではありませんが、「コツコツ経営」の考え方では、企業経営を賢く続けるためには、

不要なリスクを抑えながら必要なリスクを取り、売上拡大や利益確保に主眼を置いた計数管理(企業経営)が大切と考えています。



節約や節税ばかり考えているとネガティブ(保守的)な経営になり、売上拡大や有効な先行投資などポジティブ(積極的)な経営判断が難しくなることがあります。

また、ポジティブに新しい事業や商品サービスを考えていると企業経営が楽しくてやめられなくなると感じています。



企業経営を賢く続けるために大切な経営者が持っている考え方(マインドセット)のお話でした。

さらに、実践的な企業経営のための計数管理を身に付けるためには、事業計画やマーケティングなどについても理解することが重要となります。 今後の事業計画やマーケティング関連のコラムもお楽しみに!



おわりに

この度は、コラムをご覧いただきありがとうございました。 少し難しい用語も使ってしまいましたが、なるべく分かりやすい言葉で経営に役立つ情報発信していこうと思っています。 今後の発信もお楽しみに!